他にはない、ほとんど幻の農園  

ブドウ畑は、ベガ・シシリアにとって醸造活動の中核をなすと考えられています。すべてはブドウ畑で生まれ、後に醸造所で保証されるワインの品質と独自性が確立するのは、このブドウ畑です。

ブドウ畑に利用される210ヘクタールは、テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローの3品種に分かれています。この210ヘクタールのうち、140ヘクタールはバルブエナとウニコ用、そして残りはアリオン用の醸造に使用されます。

ブドウ畑全体は、ブドウの品種、樹齢、農園に存在する19種の土壌分類に従って、醸造別に52区画で構成されています。

醸造に使われるブドウの木の樹齢は最低でも10年、また果実を生産している木の平均樹齢は35年です。ブドウネアブラムシの被害に遭った後、1910年に作付されたオンタニョンのように古いブドウ畑の場合、ワイナリーの世襲財産である、親木となる同一遺伝子をもつクローンを選別できるよう、土地の研究と分析が実施されています。

ベガ・シシリアでは、ブドウ畑は3ｍⅹ1.5ｍの植栽間隔で、1ヘクタール当たり合計2222本のブドウの木が栽培され、ブドウの木1本当たりの収穫量は平均1～1.5kgです。

土地の下準備は、ベガ・シシリアを他とは違った特別なワイナリーにしているもう一つの要因です。この農園では、消毒が自然に行われるため、木の植え替えは通常より長い工程を経て行われます。また当ワイナリーでは、ブドウの木に被害を与える土壌に生息する線虫を駆除する目的で、人工の生産物を排除する選択的なビオロジック農法が導入されてます。そのため、線虫駆除効果のある植物が使用されていますが、この植物が土地を浄化するのに5年かかります。そこで、古いブドウの木が栽培される土壌には線虫が多数住み着いていること、これは古いブドウの木を除去する際には、新しい苗木の植え付け前に徹底的な駆除作業を実施しなければならないことを意味する、ということを念頭に置く必要があります。